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生活、地元、小旅行

御坊市 -紀伊半島の旅(その2)-

江住駅から乗り換えを含めて各駅停車で約2時間、御坊に到着。

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予想以上の涼しさで、夏休みのなかでもこの日に旅行を実行したことは正しかったと確信した。改札で江住で取った整理券を渡してここまでの運賃を精算し、少し待つと紀州鉄道レールバスがコトコトと入って来た。

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終点の西御坊駅までたった8分間、列車は御坊の街をゆっくり進む。JR御坊駅から次の学門駅は少し長い区間だが、その次の学門紀伊御坊〜市役所前〜西御坊はとても短い。

途中で運転士さんが手を振っているなと思ったら、沿線に小さな子供がいて、手を振っていた。この鉄道は御坊の街に寄り添い、御坊に愛されているのが伝わる。

すぐに西御坊駅に着いた。

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木造の黒く塗られた駅には、味わいがあった。駅ノートもあり、上手い駅舎の絵を残した人もいた。和歌山県外の遠いところから多くの人が来ているようだ。

 

西御坊駅から寺内町を経由して、2つ前の紀伊御坊駅まで歩くプランを実行。持ち時間は紀伊御坊駅にJR御坊方面の列車が来るまでの40分。寺内街の情緒ある街並みをじっくりと見ていたら、時間切れにならないか少し心配だった。

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「御坊」の地名の由来となった本願寺日高別院の門は残念ながら閉ざされていた。プランは必ずしも順調に進まない。歴史的価値のある建物が続く寺内町を抜けたところで、地図を見間違えてしまい、迷うことに。

 

結局、ちょっと焦って走った結果、10分弱の余裕を持って紀伊御坊駅に到着できた。ここは有人駅で、駅員さんから切符を買う。

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紀州鉄道の写真コンテストに投票してほしいと言われたので、短い時間で選んで投票した。候補の写真の多さからも、紀州鉄道が慕われていることがわかる。

駅員さんは親切で温かい人だった。急いだだけに暑くて、パンフレットで扇ぎながらホームで列車を待っていると、紀州鉄道オフィシャルのうちわをプレゼントして頂けた。列車に乗り、出発するときも、わざわざ頭を下げて見送ってくれた。紀州鉄道、本当に温もりのある路線だった。JR御坊駅に戻る列車の中では帰宅途中の高校生が談笑していた。彼らの多くも高校を出れば他のところに行く必要があるのだろう。小さな1両だけの鉄道で御坊の街を繰り返し行き来したことが彼らにとってかけがえのないものになってくれたらいいと思う。自分はわずかに彼らより年上なだけだから、何も偉そうなことは言えないけれど、紀州鉄道はそんな鉄道だった。

 

JRの御坊駅に戻り、帰りの電車までは夕食を買ったり、お土産屋さんに入ったりした。

 

和歌山県中部の中核都市とはいえ、なかなか来る機会は無かった御坊。江住のように前から行こうと思っていたわけではなく、御坊行きを決めたのは1週間前だった。

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来た鉄路をまた引き返す。途中で乗り換えのために降りた紀伊田辺駅が、昔来たときよりもカラフルになっていたのも印象に残った。このカラフルな駅舎ももうすぐしたら改築で取り壊されてしまうらしい。見られてよかった。改築されるまでにもう一度見に来たい。そして、きのくに線ロングシートに揺られること数時間、念願だった旅が終わった。